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予防について

病気の治療を行うことはもちろんですが、病気にならない様にする予防に関しても私たちの重要な役割だと思っております。つらい病気になる前に防げるものは、しっかり予防する事は非常に大切です。

●健診血液検査による、病気の早期発見と早期治療

●感染症の予防

●寄生虫予防

●不妊・去勢手術による、腫瘍発生やその他の病気の予防

●デンタルケアによる、歯周病予防

これらを定期的に行うことによって、生活の質を高め
快適に過ごす時間を少しでも長くする、お手伝いをしたいと考えています。

健診血液検査

定期的に血液検査をすることによって、体の健康状態を判断することができます。最近学会などでは年2回の健康診断が勧められています。血液での健康診断では、採血を行うだけで多くの情報が得られます。まずは血液検査から始めましょう。

貧血の有無。腎臓と肝臓の評価。高脂血症の有無。高血糖や低血糖の有無。などが判断できる内容が含まれています。(RBC HCT HMG WBC GLU TP ALB A/G比 ALT ALP AST GGT BUN CRE TG TCHO)

感染症予防

ワクチン接種 or 抗体検査

感染症から身を守るためのものです。ワクチンを接種する事で、病気の感染を防いだり、仮に感染しても重篤になる事を防いでくれます。近年は「抗体検査」を選択できる様になってきました。抗体が残っている場合は、接種を見合わせる相談もできます。

犬6種ワクチン
犬10種ワクチン
猫3種ワクチン

【子犬や子猫のワクチン】生後16週を以降で最終接種を終える様に調整します。通常は3回程度接種を行います。母親からの抗体が消失した後に、接種しないと自分で抗体を獲得することができないからです。

【2年目以降のワクチン】2年目以降の接種に関しては、「ワクチン接種」か「抗体検査」を選択できる様になってきました。近年の報告で、ワクチン抗体価が長持ちする事が報告されています。実際には、数年高い抗体が持続している場合もあります。しかし、個体によってばらつきが有るため抗体検査にて、感染に対する防御力の確認をお勧めしております。

【抗体検査のメリット】抗体が高い場合は、今年のワクチン接種は見合わせることができます。ワクチン接種におけるアレルギー反応などの、副作用を回避することができます。

【抗体検査のデメリット】抗体が低い場合は、感染への防御が低下している可能性があります。追加でのワクチン接種を行うか相談することになり、手間がひとつ増えてしまいます。

狂犬病ワクチン

狂犬病ウイルスに感染する事によって、発症する病気を予防するためものです。
発症した場合の致死率は、ほぼ100%と言われています。
犬以外の他の動物にも感染がひろがる病気です。
国によっては、コウモリやアライグマなどからの感染が報告されています。
現在の日本では発症が無い病気ですが、過去に犬を介して感染がひろがっていました。90日齢以上のワンちゃんに関しては、接種が義務づけられています。毎年4月に接種のお知らせがきます。3月2日以降であれば、来年度登録が可能です。フィラリア前の早い時期に済ませておくと混雑を避けられます。

フィラリア症

フィラリアといえば、『』というイメージですね。ですが最近では、『猫』においても注意が必要な事は知られてきています。都内では予防率も高く、フィラリア症の発生はおさえられています。とはいえ、蚊が自由に媒介するため注意しておく必要はありますね。

【犬のフィラリア】ほとんどのフィラリアが、肺動脈内で成虫まで成長します。成長したフィラリア成虫に反応して、血管の肥厚や血流障害が発生します。更に感染した虫が死滅した場合、その虫の死体により肺動脈塞栓が発生します。これにより、肺高血圧症が生じてしまい右心不全を悪化させます。そのほかに、虫が肺から心臓に移動し後大静症候群という急性症状を呈することもあります。

【猫のフィラリア】猫に感染したフィラリア、そのほとんどは成虫まで成長できません。肺動脈に移動し未成熟虫まで成長した段階で、免疫反応によって死滅します。同時にその免疫反応によって、猫自身の肺血管や肺間質に急性炎症が発生してしまうのです。これは、犬糸状虫随伴性呼吸器疾患と言われ、猫のフィラリア症状の一つです。咳などの呼吸器症状の他、食欲不振、沈鬱、嘔吐などの症状が認められることがあります。その後、生き残ったフィラリアが成虫まで成長すると一時的に症状が緩和します。その2~3年後に成虫が寿命を迎えると、再び猫の免疫反応が強くなり、重度の炎症や血栓塞栓などの肺障害や突然死を発生することもあります。この時期を越えると、慢性呼吸器疾患へ移行します。

ノミ・マダニ

お外に出る場合は特にノミ・マダニ感染の危機にさらされています。感染したノミ・マダニは、屋内にもちこまれ家の中で繁殖する事もあります。吸血する寄生虫は、感染症の媒介としても非常に注意が必要です。その為にも定期的に予防をする事が大切です。

【マダニとSFTS】重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは、マダニを媒介とする感染症です。マダニの媒介だけでなく、感染動物から人への感染も報告されています。国立感染症研究所の報告では、感染者の14%が亡くなっている報告がある恐ろしい病気です。西日本での発生が多い病気でいたが、2021年はついに東京でも届出が出されています。

お勧めの予防薬

フィラリアの予防だけでなく、ノミやマダニも一緒に予防できる製品が主流になってきました。ひとつで多くの予防ができる為、非常に便利でお勧めです。犬の予防は「美味しく食べるオヤツ型」が、猫の予防は「背中にたらす滴下型」が主流になっています。

【犬の予防薬】

ネクスガードスペクトラ
クレデリオプラス

【猫の予防】

レボリューションプラス
ブロードライン

不妊手術と去勢手術

私たちは、予防的な手術として不妊・去勢手術をお勧めしております。望まない出産を防ぐことも大切なのですが、発生頻度の高く命に関わる病気も期待できるからです。その他にもマーキングや攻撃性など、問題行動を減らす事も期待できます。デメリットとして考えられる事もいくつかあるため、十分に相談して決定しましょう。「どうぶつ」と「ひと」共に快適な生活するお手伝いをしていきたいと考えます。

●不妊・去勢手術に関する、よくあるご質問●

Q 不妊手術や去勢手術は、必要なのでしょうか?
伴侶動物としてともに生活をする場合、いくつかのメリットが報告されています。
そのため、手術を受けることを勧めています。
もちろん、子供を産ませたいなどのご希望がある時は、お勧めいたしません。

Q どのようなメリットがあるのでしょうか?
女の子の場合は、乳腺腫瘍(乳ガン)の予防効果がはじめにあげられます。
乳腺腫瘍は犬における最も頻繁に認められる腫瘍のひとつなのです。
未避妊のワンちゃんにおいては、10歳で10%以上確率で発生するという報告もあります。
乳腺腫瘍の発生と発情の関係は明確になっています。
避妊手術を行うことによって乳腺腫瘍発生率を著しく下げることが出来るのです。
初回発情前に行うと0.05%、初回発情後では、8%、2回目の発情後では、26%まで発生する確率を下げる事ができます。
それ以降では悪性腫瘍の予防効果ないのですが、良性腫瘍の発生率は下げることは期待できます。
予防効果を高めるためには、発情がくる前の不妊手術が理想です。
その他には、卵巣腫瘍、子宮蓄膿症などの予防にもつながります。
男の子の場合は、精巣腫瘍や前立腺疾患の予防や、会陰ヘルニアの発生リスクを下げる効果が期待できます。
特に停留睾丸は、腫瘍発生率が増加するため注意が必要です。

Q 猫では、どうなのでしょうか?
ネコちゃんでも、同様に避妊手術によって乳腺腫瘍を防ぐことが出来ます。
猫において乳腺腫瘍は、造血系腫瘍、皮膚腫瘍についで3番目に多い腫瘍です。
避妊手術による腫瘍の発生率減少に関しては十分に期待できます。
6ヶ月以下で手術した場合91%、1歳以下で手術した場合86%の減少効果が期待できます。

Q マーキングなどの問題は改善しますか?
手術を行うことによって、期待できるものもあります。
雄猫のスプレー行動などは、多くの場合改善します。雄犬のマーキングは、それほど変わらないかもしれません。
マウンティング(腰振り)行動や攻撃行動などに関しても減少する事が期待できます。
ただし、個体差があり確実とは断言できません。行動の問題に関しては、不妊・去勢手術で改善する部分もありますが、個別での治療が必要になる事もあります。

Q デメリットはあるのでしょうか?
最も一般的な問題としては、体重が増えやすくなることです。不妊・去勢後は、食事の管理をお願いします。
そのほかに、女の子の場合には、尿失禁の発生が認められる事があります。
大型犬での発生が多く、特に3ヶ月以内の弱齢で手術を受けた場合、その発生率は高まります。
その他、いくつかの腫瘍や甲状腺機能低下などの発生率を上昇させる可能性があると、報告がでてきています。今のところ断言できないのが現状です。

Q 不妊・去勢は、いつ行えばいいのですか?
ネコちゃんの場合は、生後6ヶ月以降でお勧めしています。4~5ヶ月でマーキング行動が始まる事があり、その時は早めに行います。
ワンちゃんの場合は、男の子では1才を目安に、女の子では生後6ヶ月頃でお勧めをしています。初回の発情が、始まってしまった場合には、1~2ヶ月後に行うようにしています。なお、大型犬に関しては、骨格成長を待った方が良いとの報告もでてきており、1歳弱での手術をお勧めします。

Q 手術は安全なのですか?
ニコ動物病院では、術前検査をおこない、安全性が高い麻酔薬を選択して行います。
手術用の糸も、生体への影響が少なく安全性の高い吸収糸を使用しています。
そのほか、当然ですが滅菌済みの器具を用いて行います。
全身麻酔での手術ですので、100%とは断言できませんが、
出来るだけ100%に近づける努力をおこなっております。

お腹の中に糸が残らない不妊手術・去勢手術

結紮を行なった糸による、肉芽腫形成の報告が時折あります。縫合糸に対する生体の反応として発生するものです。形成された肉芽腫から排膿が認められたり、お腹の中で周辺組織を巻き込んでしまったり様々なトラブルを起こすことが考えられます。肉芽腫発生時には、組織反応を抑えるためにステロイド剤の投薬を行うこともありますが、根本的に解決するためには手術にて摘出すること必要です。

ソノサージと言われる手術器具を用いることで問題の発生を防いでおります。
ソノサージとは、超音波振動により熱を発生しその熱により組織を凝固・切断を行う器具です。
この器具を用いることにより、結紮糸を用いることなく、安全に血管の止血と切断が可能です。

ニコ動物病院で行う犬と猫の避妊・去勢手術は、腹腔内に縫合糸を残さない手術です。大型犬や卵巣周囲の血管が非常に発達しておりリスクが高いと判断した場合などは、ポリジオキサノンという組織反応性が低い安全性の高い糸をもちいて、補助的に結紮を行うこともあります。その点は、ご理解ください。