内分泌疾患

ホルモンのバランスが崩れる事で発生する病気です。それぞれの病気で特徴的な症状があり、それを踏まえて確定するための検査を実施していきます。病気によっては一度で判断がつかない場合があり、その時は別の方法で再検査することもあります。内分泌疾患は、皮膚の症状などから発見される場合もありますが、命に関わる症状も発生しうるため治療が必要です。

脱毛などある場合は、感染症の徐外

血液検査 スクリーニング検査  ホルモン濃度測定

超音波検査

甲状腺機能低下症

甲状腺の機能が障害され、ホルモンの分泌量が減少してしまう事によって発生します。甲状腺ホルモンは、代謝や成長などに体に重要なホルモンです。不足する事により、神経の障害、心臓の機能低下、脂質代謝異常、活動性の低下、脱毛、体重増加など様々なトラブルを引き起こします。免疫細胞によって甲状腺の細胞が破壊される事により症状が発生するといわれています。

当院で行う検査

「身体検査」徐脈、脱毛など、甲状腺機能低下を疑う所見がないか確認します。

「血液検査」一般的なスクリーニング検査を行います。高脂血症などの異常がないかを確認します。

「甲状腺ホルモン測定」T4やTSHなど、甲状腺に関するホルモンを測定します。甲状腺ホルモンは、院内で測定可能なので速やかな診断が可能です。判定に悩む場合は、外注検査を併用します。

「超音波検査」超音波検査を実施し、甲状腺組織の萎縮などを確認します。

治療

甲状腺ホルモンが不足が確定した場合は、ホルモンの補充を行います。投与を開始し安定してくる、発生していた症状は改善する事が多いです。

甲状腺機能亢進症

甲状腺ホルモンは、代謝にかかわる大切なホルモンです。過剰になって事もトラブルの原因になります。症状としては、体重減少、性格の変化(攻撃的、甘える)、高血圧、心臓のトラブル、多食、多飲などが主なものです。高齢の猫によく見られる病気です。食欲はあるのに、体重が減少している。お水を飲む量が増えている。そんな時には、注意してください。

当院で行う検査

「身体検査」徐一般的な身体検査をおこないます。瞳孔が開いて、興奮状態になっている事もあります。

「血液検査」一般的なスクリーニング検査を行います。糖尿病や腎臓病などを類似する症状を示す病気を除外します。

「甲状腺ホルモン測定」甲状腺ホルモン(T4)を測定します。甲状腺ホルモンは、院内で測定可能なので速やかな診断が可能です。判定に悩む場合は、外注検査を併用します。

「超音波検査」超音波検査を実施し、甲状腺組織の腫大などを確認します。

治療

過剰になっているホルモンをコントロールします。内科治療と外科治療の選択肢があります。内科治療としては、まず食事の変更を提案します。特定の療法食により、甲状腺ホルモンの量を減らすことができます。食事での治療が困難な場合は、内服薬の投与を行います。それでも維持が難しい場合は、外科的な対応を考慮する場合もあります。

甲状腺機能亢進症の食事

副腎皮質機能亢進症

副腎皮質ホルモンの過剰分泌により発生する病気です。ホルモン過剰になってしまうと、水を良く飲む、おしっこが増える、食欲が増える、お腹がはってくる、毛が薄くなる、などの症状が出てきます。その他にも、肝腫大、腹部膨満、血液凝固亢進、糖尿病など様々な病気を誘発します。病気が発生していても、活動的で食欲もあり発見が遅れてしまうため注意が必要です。

当院で行う検査

「身体検査」脱毛や腹部の膨満など、副腎機能亢進を疑う所見を確認します。飲水量の確認も行います。

「尿検査」尿比重の低下を確認します。尿糖や尿蛋白/クレアチニン比など、他の疾患の場外も必要です。

「血液検査」一般的なスクリーニング検査を行います。肝数値の上昇や高脂血症、糖尿病の発症などを確認します。

「コルチゾール測定」ACTH刺激試験を実施し、副腎皮質ホルモンを測定します。副腎皮質ホルモンが高値であれば診断となります。副腎皮質ホルモンは、院内で測定可能なので速やかな診断が可能です。判定に悩む場合は、日を改めてデキサメサゾン抑制試験を追加します。

「超音波検査」超音波検査を実施し、左右副腎の腫大などを確認します。下垂体性か副腎性かの鑑別に役立ちます。両側が大きい場合や、片側だけが大きい場合がありそれによって診断や治療が変わってきます。

「ACTH測定」副腎皮質機能亢進は確定できたのち、他の検査で下垂体性か副腎性の鑑別が難しい場合、追加検査として実施します。

治療

副腎皮質機能亢進症は、下垂体性と副腎性に分けられ治療法が異なります。約80%が脳下垂体の腫瘍です。こちらの場合、多くのケースでは内服薬でのホルモン量のコントロールをおこないます。近年大学病院などでは、下垂体腫瘍の切除が行われるようになってきておりご希望の方はご紹介できます。残りの20%は副腎の腫瘍です。こちらの場合は、副腎を手術により摘出する必要があります。

副腎皮質機能低下症

副腎ホルモンの分泌不全により発生する病気です。副腎からは、アルドステロンやコルチゾールが分泌されています。機能低下の場合は、このホルモンの両方または、片方の分泌が低下してしまうために発生します。コルチゾールは、ストレスに対して対抗する為には必要なホルモンです。そのため、ストレスが加わるとそれに抵抗できず、著しい低血糖や虚脱など命に関わる強い症状が発生します。アルドステロンは、体のミネラル調節を行っています。不足すると、ナトリウムやカリウムの値に影響が現れてきます。

当院で行う検査

「身体検査」一般状態の把握を行います。飲水量の確認も行います。

「尿検査」尿比重の低下を確認します。尿糖や尿蛋白/クレアチニン比など、他の疾患の場外も必要です。

「血液検査」一般的なスクリーニング検査を行います。低血糖の発生や、ナトリウム・カリウムの数値を確認します。

「コルチゾール測定」ACTH刺激試験を実施し、副腎皮質ホルモンを測定します。副腎皮質ホルモンが低値であれば診断となります。コルチゾール分泌は低下せず、アルドステロンのみ低下するケースもあり、その場合は診断できません。

「超音波検査」超音波検査を実施し、左右副腎の萎縮を確認します。萎縮している場合は、超音波検査で確認しづらい場合もあります。

「アルドステロン測定」確定が困難な場合は、アルドステロン値を測定する場合があります。

治療

副腎皮質機能低下症は、副腎の萎縮しホルモンが不足している病気です。治療には、ホルモン剤の投与が必要です。アルドステロン、コルチゾールの不足具合により、内服薬の選択が変わってきます。

糖尿病

膵臓から分泌されているインスリン、その量が不足してしまう事が原因で発生する病気です。インスリンが分泌されなくなってしまうケースと、一時的にインスリンが不足してしまうケースがあります。肥満、発情、膵炎などは糖尿病発症のリスクを高めます。水を良く飲む、おしっこが増える、食欲が過剰になる、痩せてくるなどの症状が認められるようになります。

当院で行う検査

「身体検査」一般状態の把握を行います。体重の減少、脱水の有無などを評価します。また飲水量の確認も行います。

「血液検査」一般的なスクリーニング検査を行います。高血糖が発生している場合は、糖尿病の可能性が高まります。

「フルクトサミン測定」フルクトサミンは、過去2週間程度の血糖値を反映しており、糖尿病の維持にも有効です。

「尿検査」化学検査により尿糖とケトンを確認します。尿中にケトンが多く認められる場合には、ケトアシドーシスの注意が必要です。その他に尿比重や尿蛋白/クレアチニン比など、他の疾患の場外も必要です。

当院で行う治療

食事管理とインスリン注射が治療の基本になります。猫の場合、インスリンの分泌が再開され注射治療から離脱できることがあります。インスリン注射に反応が悪い場合は、抵抗性を示す他の病気がないか再度検査を進める必要があります。