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●循環器疾患

 咳や運動不耐性などの症状があって来院される場合や、診察時に心雑音が発見される症状が無い場合があります。心臓に雑音がある場合は、レントゲン検査や超音波検査などを実施し、現在状態把握と今すぐに治療が必要なのか評価する事が大切です。

心不全のステージ分類を行い治療を進めます。

僧帽弁逆流症

小型犬に多く見られる心臓の病気です。加齢性の変化により、心臓の弁が劣化して血液の流れが逆流してしまう病気です。弁のトラブルにより発生するため、弁膜症と言われる事もあります。僧帽弁閉鎖不全症は、左心室と左心房のあいだにある僧帽弁で発生します。進行してしまうと、咳が出たり、運動やお散歩を嫌がったりします。急激に悪化すると肺水腫といって肺に水がたまってしまい、呼吸困難でなくなってしまう怖い病気です。

当院で行う検査

「聴診を含む身体検査」聴診器を用いて心臓の音、雑音の大きさや種類を評価します。全身状態も同時に把握します。

「レントゲン検査」レントゲン検査により肺と肺血管の状態、心臓の形や大きさを評価します。

「超音波検査」僧帽弁に発生する逆流を確認し、血流量や速度を測定します。その他、心臓の動き、内腔のサイズ、弁の動きや状態、逆流などの血流異常の存在など総合的に評価します。

緑色が混ざるモザイクが、僧帽弁に発生する逆流
僧帽弁逆流の速度を測定する

「血圧検査」血圧測定と僧帽弁の逆流速度をから、左心房圧を算出します。

「血液検査」全身状態の把握、循環不良などから発生する腎臓の悪化などを評価します。

治療

一部の病院では手術を行うことがありますが、現在はまだ一般的ではないです。内服薬で心臓の機能を助ける治療が主になります。レントゲンや超音波検査の結果から判断して、病状に併せて選択をします。定期的に検査を実施し、状態の変化にあわせて使用する薬を調整していきます。

三尖弁逆流症

三尖弁と言われる弁の機能異常で発生する病気です。弁の劣化や、僧帽弁閉鎖不全症の悪化によって発生する事もあります。血流が悪くなる事によって、肝臓腫大や腹水などのトラブルが発生する事があります。

当院で行う検査

「聴診を含む身体検査」聴診器を用いて心臓の音、雑音の大きさや種類を評価します。全身状態も同時に把握します。

「レントゲン検査」レントゲン検査により肺と肺血管の状態、心臓の形や大きさを評価します。

「超音波検査」三尖弁の逆流速度、または肺動脈弁の逆流速度を測定することで、診断することができます。発生する逆流を確認し、血流量や速度を測定します。その他、心臓の動き、内腔のサイズ、弁の動きや状態、逆流などの血流異常の存在など総合的に評価します。

緑色が混ざるモザイクが、三尖弁に発生する逆流
三尖弁逆流の速度を測定する

「血液検査」全身状態の把握、心臓病のマーカー検査なども行い評価します。

治療

内服薬での治療が主になります。心臓の働きを助けて循環不良を改善します。お腹に水がたまってしまう時には、注射針を用いて抜き取る事もあります。

肺高血圧症

肺血管の血圧上昇による病気です。僧帽弁逆流症の発生により徐々に進行する事があります。その他、肺炎やフィラリア症など呼吸器疾患によっても発生します。咳、失神などの症状が認められる事があります。

当院で行う検査

「聴診を含む身体検査」聴診器を用いて肺の音、心臓の音、雑音の大きさや種類を評価します。全身状態も同時に把握します。

「レントゲン検査」胸部レントゲンで肺の状態を確認します。同時に、心臓の拡大などの所見がないか評価します。

「超音波検査」肺高血圧を診断するには、肺動脈弁逆流の速度か、三尖弁逆流の速度を測定する必要があります。これにより、確定診断が下せます。

「血液検査」全身状態の把握、心臓病のマーカー検査なども行い評価します。

治療

内服薬による治療を行います。定期的に検査を実施し、状態の変化にあわせて使用する薬を調整していきます。

全身性高血圧症

一般的に血圧が高いと言われる状態です。失明、ふらつき、食欲不振や元気消失などハッキリしない症状の事もあります。別の病気の影響により2次的に高血圧になる病態と、原因となる疾患が無い特発性があります。血圧が高い事が診断基準になりますが、緊張しているどうぶつでは、やや高くなるため何度か測定する必要があります。2次的に高血圧を発生している事があるため、基礎疾患の除外は大切です。

当院で行う検査

「血圧検査」血圧計で血圧を測定します。収縮期血圧の上昇を確認し高血圧と判断します。

「眼底検査」高血圧による障害として、眼底出血がみとめられる事もあります。

「血液検査」基礎疾患の除外の為、血液検査も必要です。腎臓病、甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモンなど、検査を行い除外します。

治療

内服薬での治療が必要です。原因となる病気がある2次性場合は、その病気の治療を優先します。

心タンポナーデ

心臓を包む心膜の間に液体がたまってしまう病態です。液体の貯留により、心臓が上手く機能できなくなり重篤な心不全状態となります。

当院で行う検査

「レントゲン検査」レントゲン検査により大きく拡張した心臓の形態を観察します。心タンポナーデの時には、特徴的な丸く大きな心臓の形をしています。

「超音波検査」心臓を描出し、心臓が大きいのか?液体貯留による拡大か?を判断します。心臓に腫瘍などが発生していないかを確認します。

大きな心陰影が確認される
超音波検査にて心臓の周囲に液体貯留が認められる。

「心嚢穿刺検査」心嚢水を注射針を用いて回収します。貯留液の性質、細胞の数や細胞の種類を評価します。細胞が多い場合は、腫瘍の可能性も考慮し検査センターへ依頼します。

治療

緊急時は、注射を用いて溜まっている液体を除去する必要があります。その後は、再度貯留を防ぐため治療をおこないます。原因は深刻なものが多く、予後は注意が必要です。

血栓塞栓症

血管の中で形成された血餅が、血管に詰まってしまう病気です。猫において、「突然の強い痛み」と「後肢の麻痺」として発生する事が多いです。後肢だけでなく、前肢や他の臓器でも発生します。多くは心臓疾患に伴って認められます。

当院での検査

「聴診を含む身体検査」発生している部位が後肢なら、股動脈の触知が可能かどうか、後肢の体温低下があるかどうかなどを調べます。

「血液検査」一般状態の把握、心筋マーカーなどで心臓への負荷を評価します。

「超音波検査」動脈に塞栓を発生している血栓を検出します。カラードプラーを用いて、血流障害の検出も行います。心疾患の併発がある場合は、心臓の機能評価も行います。

治療

全身状態を評価した上で、疼痛管理や血栓形成予防が中心です。相談の上、血栓溶解治療を実施する場合もあります。心臓疾患を発生している場合も多く、心臓の評価と治療も開始します。予後が悪い事も多く、注意が必要な病気です。

動脈管開存症

動脈管という胎生期に開孔している血管があります。肺動脈と大動脈をつなぐ血管で、胎生期の肺循環を迂回する為の血管です。生まれた後に、その血管は不要なので閉鎖するのですが、まれに閉鎖がみとめられないケースがあります。大動脈は肺動脈よりも血圧が高いため、常に動脈管を通し大動脈から肺動脈への血流がみとめられます。その時に、連続性雑音という特徴的な雑音が聴取される事もあります。進行する右心圧が上昇し、逆流の流れが反転します。静脈血が全身に回ってしまうため、低酸素が発生その影響で血球の数が異常に増えてしまします。

当院で行う検査

「聴診を含む身体検査」聴診により雑音の検査から始めます。連続性雑音という特徴的な雑音を確認します。下半身の皮膚だけ色が悪い場合は、病状の進行が疑われます。

「超音波検査」カラードプラーを用いて肺動脈に逆流波形が確認をします。病状が進行している場合は、肺動脈に逆流が認められません。動脈の血流を確認しながら少量の気泡を注射して、静脈血が全身に回っている事を確認します。

「血液検査」一般状態の把握、血液ガスで血中酸素と二酸化炭素の濃度、心筋マーカーで心臓への負荷などを評価します。

治療

初期の段階で発見することができたなら、手術にて治すことができる病気です。そのため発見された場合、手術をお勧めします。しかし、病態が進行してしまっている場合は、手術適応とはならないため、内服薬による治療を開始します。

肥大型心筋症

猫に多い心臓の病気です。心筋壁の肥厚、房室弁の逆流、心房の拡張などが認められます。血栓症やうっ血性心不全症状、突然死なども考えられる病気であり、早い段階での治療開始が望まれます。

当院で行う検査

「聴診を含む身体検査」聴診器を用いて心臓の音とリズム、雑音の有無を評価します。全身状態も同時に把握します。収縮期雑音やギャロップ音が聴取されます。

「レントゲン検査」心臓の形と大きさを評価します。心房拡張が認められるときには、心臓が大きく描出されます。

心房拡大を認める猫のレントゲン

「超音波検査」心筋の厚み、心房の大きさ、心臓の機能評価を行います。拡張期の心室壁が厚い場合、肥大型心筋症を疑います。

心房拡大を認める猫の超音波検査

「血圧検査」高血圧で発生する求心性肥大は、心筋症を除外する上では必要です。

「血液検査」甲状腺機能亢進症を除外するために、甲状腺ホルモンの測定を行います。同時に心臓病のマーカー検査と、一般状態の把握も行います。

治療

り投薬治療が必要です。うっ血性心不全や心筋肥厚に対する治療のほか、血栓予防も大切な治療のひとつです。

拡張型心筋症

大型犬やタウリン欠乏の猫で発生する事が多い心臓の病気です。心臓の収縮力が低下してしまう病気です。

当院で行う検査

「聴診を含む身体検査」聴診器を用いて心臓の音とリズム、雑音の有無を評価します。全身状態も同時に把握します。収縮期雑音やギャロップ音が聴取されます。

「レントゲン検査」心臓の形と大きさを評価します。心室拡張が認めら心臓が大きくなります。

「超音波検査」心室の収縮能、心室心房の大きさ、心臓の機能評価を行います。内径短縮比率が低い場合、拡張型心筋症を疑います。

「心電図検査」特徴的な心電図波形を認めます。

「血液検査」甲状腺機機能低下を除外するために、甲状腺ホルモンの測定を行います。同時に心臓病のマーカー検査と、一般状態の把握も行います。

治療

投薬治療でのが必要です。心臓の働きを助ける内服や、タウリンの補充などが選択されます。

肺水腫

 文字通り肺に水が溜まってしまう病気です。心臓病が原因で発生することが多いですが、その他の原因で発生することもしばしばあります。咳が出たり、呼吸が苦しそうにしたりと、深刻な呼吸困難をしめします。症状が深刻な場合には、肺水腫が原因で亡くなってしまう事があり、治療を急ぐべき病態です。

当院で行う検査

「聴診を含む身体検査」聴診器を用いて呼吸音や肺雑音を注意深く聴取します。心臓の音とリズム、雑音の有無を評価します。粘膜の色調など、全身状態も同時に把握します。

「レントゲン検査」肺の状態を確認します。肺に水が溜まっているため、白く映ります。

治療前 肺が白くなり、心陰影が不明瞭
治療後 肺が黒くなり、心陰影も明瞭に

「超音波検査」肺エコー検査を実施し、肺の状態を確認します。酸素を十分に嗅がせながら、最低限の心臓の病態を評価します。

「血液検査」治療に利尿剤が必須であり、腎数値を含む一般状態の把握も行います。

治療

呼吸状態を改善するために、酸素吸入を実施します。同時に肺に溜まった水を取り除くため、利尿剤を使用します。呼吸状態を観察しながら、何度か治療を繰り返していきます。心臓病が原因になっている場合は、同時にそちらの治療も実施します。